英二は・・・なぜこんな抱き方をするんだろう。

普段とは、まるで別人のよう。

やっぱり、僕を怒っているのかな?

手塚が帰ってくれば彼の元へ戻る僕を・・・。

だけど、それは最初からわかっていたはず。

僕も、英二も・・・


でも、そう簡単に割り切れるものじゃなかったね。

ごめん・・・

でも、今更やめられないんだよ・・・

だって・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふーじっ!!なにボーっとしてんの?次体育だよ!!早く更衣室いこっ。」

声をかけられてハッとした。

気づくとクラスメイト達は更衣室へ移動していて、教室には僕と英二しかいなかった。

英二はいつもの人懐っこい笑顔を僕に向けている。

だけど・・・。


「うん・・・。僕はいいから、英二先に行って。」

俯いてそう答える。

「にゃんでぇ?あ、ひょっとして、昨日のアレ、気にしてんの?」

そういうと、僕の腰を引き寄せ、制服の前を開け、

シャツのボタンを二つ目まで外し、一点を指でなぞる。

「昨日はけっこう激しかったもんねえ♪」

そういう英二の顔は、いつもと同じ笑顔。

無邪気で、嬉しそう。

だけど、僕は知っている。

この笑顔の奥にあるもう一人の英二の存在を。

「痕は・・・つけないでって言ったのに。着替えの時に困るからって。」

そう言った瞬間、髪を鷲?みにして、引き寄せられた。

「・・・ッ!」

耳元で静かに囁く。

「別に隠すことないじゃん、見せてやればいいよ。
わざと目立つ位置につけたんだからさ。」

「なんで・・・?」

「必死に隠そうとする不二を見るのが面白いから♪」

全く悪びれない様子でそう言い放つ英二に、周助は俯いたまま、何も言えなかった。

ふと、次の授業を知らせるチャイムが、教室に響いた。

一瞬、周助の体がビクリと強張った。

この先に起こることを予測するように・・・。

その時、英二が口を開いた。

「あ〜あ、チャイム鳴っちゃったあ。
授業間に合わないじゃん。不二のせいだよお?」

文句口調だが、口の端では笑っている。

そして、周助のシャツの胸元から手を滑り込ませる。

突然の感覚にビクリと体を震わせ、一歩後づさると、髪を掴まれ、引き寄せられて唇が重なる。

最初は触れるだけ、そして、ゆっくりと英二の舌が侵入してくる。

「ん・・・っ、ふっ・・・。」

英二の舌の動きに、特に抵抗も見せずおとなしく従う。

しかし、再び英二の手がシャツの中に伸びた瞬間、周助はそれを払いのけようとする。

「や・・・英二・・・、駄目!!ここ教室・・・」

ガッ・・・!

言いかけた瞬間、頬に鈍い痛みが走った。

「・・・っ」

「うるさいよ。不二に選択権なんか無いんだから、大人しくしてな。」

痛みと恐怖で体は震えだし、無意識のうちに涙が滲む。

こうなった英二を止めることなど出来ないことは、周助が一番良く知っていた。


そして、最高に無邪気な笑顔。
そこに潜む悪魔の影。


「不二はせいぜい声抑えるの頑張って。隣の教室、授業中だからさ。」

そう言うと、周助のシャツのボタンを全て外して、

桜色の胸の飾りを口に含み、丹念に舌でこね回す。

「・・・っう・・・っ」

周助は口に手を当てて必死に声を抑える。

英二はそれを楽しそうに見つめながら、周助のズボンのチャックに手をかける。

「やぁ・・・っやめて・・・。」

「嫌じゃないでしょ?ホントはめちゃめちゃ興奮してるくせに。
こういうの、本当は好きでしょ、不二。」

言いながら不二のズボンを下着ごと一気にズリ下げると、不二自身に触れる。

そして、まだ柔らかいままのそれを口に含み刺激を与える。

「あ・・っん・・・くぅ・・・」

咥内が真空状態になるほど強く吸い付かれ、

下から上まで舐め上げられると、あっという間に硬く起ちあがってしまう。

先端の割れ目をぐりぐりと舌の先で刺激されると、

あまりの快感に膝ががくがくと震え、その場に崩れ落ちそうになるが、

「ちゃんと立ってろよ。」

「ん・・・っ・・・あんっ・・」

言葉と共に軽く歯を立てられ、かすかな痛みに体をビクつかせ、必死に体を支える。

そして舌を絡ませて、激しく自身を上下に扱かれ、

あっという間に絶頂まで上り詰めようとした瞬間、英二の手が止まる。

「・・・えいじ?」

突然快感の波をせき止められ、張り詰めた周助のそれは、

先端から白濁交じりの透明な蜜を溢れさせている。

無表情で自分を見下ろす英二の瞳に、何か残酷なものが見え隠れしていて、

教室の静けさと混ざり合い、周助に底知れない恐怖感を与える。

「・・・窓のほう向けよ。」

「え・・・・?」

突然の一言に戸惑う周助に、英二はより強い口調で

「窓の方向いてこっちにケツ向けてねだってみろよ。その姿みんなに見せてやれ。」

窓の外は、グラウンド・・・。

クラスメイトたちが体育の授業をしている。

いくら三階といえども、見られないとは言い切れない。

「やだ・・・。嫌だよ、英二。何でそんなこと・・・。」

すると髪を掴まれて無理やり窓際へと引きずられる。

「痛・・・っ、いや!嫌だ英二!」

今まで幾度となく英二の無理な要求を聞き入れて、

たいていのことは許してきた周助も今度ばかりは本気で抵抗を見せる。

学校で、ましてや教室でしているというだけでも、

かなりの危機感があるというのにこれ以上危険な状況を作るわけにはいかない。

しかし、力いっぱい髪を引っ張られて、思うように抵抗できない。

「・・・っ」

顔を窓に押し付けられ、手すりにつかまって必死に押し返そうとするが、無駄な抵抗だった。

「ずいぶん手間かけさせてくれるじゃん、不二。素直に言うこと聞けないの・・・?」

そういうと、英二は窓際にかけてあったクラスメイトのタオルを手に取り、

周助の手首を銀色の手すりに縛り付ける。

「ねえ・・・英二、どうして?何でこんなことするの?
したいのなら、いつもみたいにうちに来れば・・・」

「いつも同じじゃつまんないでしょ?マンネリじゃあ飽きちゃうからさ。
不二のためにやってあげてんだよ?いい刺激になるでしょ。」

「僕はそんなの望んでな・・・ぐっ」

抗議の言葉を発しようとした唇を手のひらで覆われる。

「しゃべりすぎだよ、不二。隣、授業中だっていってんじゃん。
それとも見つかりたいの?こんな恥ずかしいかっこの時に。」

そう言って手を離し、

「そんなに声出したいなら、どーぞ、存分に出しちゃってよ。ほら・・・。」

「ああっ・・・!」

突然、まだ慣らしてもいない、周助の蕾に、英二がむりやり、自身を挿入する。

あまりの激痛に周助の口から、悲鳴交じりのかすれた声が漏れるが、

隣の教室に声が漏れるのを恐れ、慌てて必死で堪える。

「やめて・・えいじ・・っ痛い・・!」

それでも無理やり抜き差しを繰り返すうちに、周助の粘膜が裂け、鮮血が滲み出す。

そして、無理やりとはいえ、もう幾度となく体を重ねているのだから、

自然と体は慣れて、英二を受け入れ始める。

しかしここで声を上げたらまた、淫乱と言われる。

そう思って必死で声を抑えていると突然、英二の手が優しく周助の頬に触れる。

「・・・?」

周助が不思議そうな顔をしていると、

「ねえ、不二は俺のこと、好き?」

「え・・・?」


意外な英二の言葉。


「一度も聞いたことなかったじゃん。手塚のこと好きなのはわかってる。
だけど、俺のことは?どう思ってる?」

突然の問いかけに戸惑いを覚え、どう答えていいかわからない・・・

今までお互い、あえて口にしなかった言葉。

口にしたところで、その言葉に未来なんてないことは、わかっていたから。

でも・・・

「好きだよ。」

もし、英二が同じ想いでいるのなら・・・そう思い、答えた。

一瞬、教室が静まり返る。

次の瞬間、

「嘘つき」

吐き捨てるように言いながら英二が哂った。

「え・・・?」

周助が聞き返す間もなく、また激しく抜き差しを繰り返す。

周助の苦痛も、快感もかまわず。

まるで、何も聞かなかったと言うように。

「いや・・・ああ・・っ!・・英二・・・」

 

 

 

どうして・・・?

何がいけなかったの?

今更何を言っても信じてもらえないの?

でも・・・だったら聞かないで。

僕の心を、乱さないで。

 

 


そう、心の中で叫びながら、乱暴な行為に耐え続ける。

それでも、最奥の一点を突かれればどうしようもなく反応してしまう。

そして、再び周助が絶頂に近づいた時、

英二はその根元をきつく握り締め、それを阻んでしまう。

「えいじ・・?何で・・?っもう・・・」

ごそごそとポケットから携帯電話を取り出すと、動画モードを起動させる。

「ねえ、面白いこと考えちゃった♪顔射さして、んでそれカメラで撮らして!!」

―!?

「英二・・何言って・・・ッそんなのできるわけなっ・・・」

「何で?」

「何でって・・・」

「ほら、もうチャイムなるよ?はやくしないとみんな帰って来ちゃうよ。どうするの?」

グラウンドを見れば、クラスメイト達は、着替えるために更衣室のほうへと向かって行くのが見える。

このままいけば、あと十分ほどで、早い生徒は教室に戻ってきてしまう。

 

戸惑いと焦りに襲われ、そして・・・

 

周助は、静かに覚悟を決めた。

「わかった・・・。言うとおりにするよ。」

「いい子だにゃ、不二は♪」

英二は無邪気に笑ってみせる。

周助は、その笑顔に恐怖を感じた。

英二は一気に、周助の弱い部分を攻め立て、

限界を訴えるそれを強く上下に扱くと、周助はあっけなく精を放ってしまう。

そして、ぐったりと手すりにもたれかかり、激しく呼吸している周助の両手を解放し、

周助から張り詰めた自信を抜き出すと、自分の足元に周助をひざまずかせる。


「出すよ。しっかりカメラのほう見てね。」

そう言って、周助の可愛らしい顔めがけて、勢いよく自分の精を解き放った。

色白な周助の顔に、白濁の液体が滴っている。

 


まるで神聖なものを汚す征服欲―

 


それを満足そうに見つめ、その映像を保存する。

 

 

そして

 

 

「不二、ホラこれも舐めて綺麗にして。」

自身を周助の口元へ持っていく。

周助は抵抗も見せず、力なくそれを舐め始める。

「不二、トイレ行って顔洗っておいで、後始末もあるでしょ?
先生には俺がうまく言っておいてあげるから。」

逃げるように走り去った。途中クラスメイトとすれ違ったような気がしたが、

気にも留めずトイレの個室に駆け込んだ。

後ろ手にドアを閉め、鍵をかけるとその場に力なく座り込む。

「う・・・っ・・・く・・・っ」


瞳からは大粒の涙がとめどなく零れ落ちる。

嗚咽をかみ殺して、震える体を抱え込む。

 

 

逃げたい

でも逃げられない

軽い気持ちで交わしてしまった約束。

これは、僕への罰。

 

 


寂しさに耐えられなくて、手塚も、英二も裏切った・・・

 

手塚を想いながら、英二を拒みきれず・・・

いや、むしろ誘い込んだのは僕のほうだった。

英二の気持ちを知りながら、始めから利用するつもりで。

ずるいことを考えていた罰なんだ。


そして今、英二を手放したくないという想いが、僕を捕らえて離さない。

こんな目にあいながら、何故そう思ってしまうのか、自分でもわからない。

 


だけど・・・

 


「手塚が帰ってきたら、この関係を終わらせること。」

自分の出した条件が今、僕を苦しめる。

「手塚が帰って来るまでこの関係を続けること。」

君の出した条件が、唯一僕の救い。

少なくとも、その日までは君の傍にいられるから。

自分の中で矛盾する思いに答えを見つけられないまま、

僕らの関係は、続いていく。

 

 

それが、救いなのか、絶望なのか・・・
誰か、教えて。

 

 

そして、教室に残った英二もまた、力なくその場にしゃがみこみ、

保存したばかりの周助の画像をみつめ、ため息を漏らす。

「俺・・・何やってんだろ。」

言いながらそれを消去する。

「好きだなんて・・・答えるなよ。」

 

嬉しかった。

例え嘘だったとしても、一度でいいから、聞いてみたかったんだ。

こんな、何の救いのない関係でも。

 

だけど、約束したから。

時が来れば全てを終わらせると。

その時、優しい不二はきっと後ろめたさを消せずに苦しむだろう。

だったらせめて、一刻も早く忘れたくなるような、そんな存在であろうと・・・決めたんだ。

何のためらいもなく、俺から離れていけるように。

手放すことも、奪い取ることも出来ずこんなやり方しか出来ない自分に嫌気がさした。

 


だけど・・・

今更引き返せない。

だから・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛しい愛しいお姫さま


王子が帰るその日まで・・・

 

どうか

 

 

今だけは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


この狂った想い、受け止めて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


END
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・・・すいませんでした。これが、人生で初めて書いた小説です。
許してやってください。
今年の3月に地元のイベントでひっそりと出したコピ本です。
この頃、まだテニプリのキャラ設定を完全に把握していなかったため、
今読むとかなり様子がおかしいです。
黒菊×白不二って斬新だね。と友人に言われました。
いや、私的には有りですが。
これ、多分サイトが落ち着いたら無きモノにしますので・・・。
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